③私、突然お嬢様になりました

櫻乃学園生徒会への勧誘



――――…


「ほら、あの子が例の…」

「あぁ!転入初日の特別授業で初級から2級にランクアップしたっていう西園寺のご令嬢か?」

「何でも西園寺の当主お気に入りで英才教育受けてたらしいぜ?」

ヒソヒソと執事学科の生徒たちが廊下を歩く私を見て話している声が聞こえてきた。

どうやら転入初日の授業でランクアップした噂に尾ひれがついて広まっているらしい。
 
…英才教育ね。つい2週間前まで一般人だったんだけどな…。

私が私立櫻乃学園に転入して早2週間。

ようやくこの超お金持ち学校の雰囲気にも慣れてきた…と思いたいが実際のところはというと…。

今みたいに遠巻きに噂をされるだけで、話しかけてくれる生徒はほとんどいない。

話しかけてくる人物と言えば…。

「琴乃様、何か御用ですか?」

ペア執事見習いの彼、沢城侑也と。

「ちょっと…西園寺さん!お待ちになって。次の授業一緒に行きましょうって言いましたのに…」

「はぁ…もう純連様。西園寺・沢城ペアに構うのやめたほうがいいですよ?」

同じクラスの菖蒲池純連さんとそのペア執事見習いの本郷千影くん。

まぁ、本郷くんは菖蒲池さんが私に構うから仕方なくいった感じではあるみたいだけれど。

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