どんな君も、全部好きだから。

委員会決めと、出会った日のこと

今日は委員会決めの日。

若干ドキドキしながら今日を迎えた。

無事に図書委員になれるといいんだけど・・・。


「今日の欠席は夏海だけだな」


朝の出席を取った後、担任の樫井(カシイ)先生の言葉に、クラスの女子がザワつく。


「先生、賢斗どうしたんですか?」


神崎さんが心配そうな声色で先生に尋ねた。


「風邪引いたって連絡あったぞ」

「えー心配~」

「お見舞い行きたーい」

「先生~賢斗くんに渡す物あったら届けるのでくださ~い!」


主に神崎さんグループの女子たちから、夏海くんのお家を訪ねる気満々の言葉があがってくる。


「夏海に届ける書類があったら青山に渡しておくから、お前らは心配しないでいいぞー」

「「えーーーーーーーー!」」


女の子たちの不満の声をよそに、樫井先生は淡々と今日の連絡事項を話し始めた。


こんな日に休んじゃったら、なりたくない委員会に決定しちゃったりすることもあるのかな・・・。

こういう大事な日には風邪引いたりしないように私も気をつけなきゃ・・・。

夏海くんには失礼かもしれないけど、私は自分がそういう状況にならないようにと改めて気を引き締めていた。
< 10 / 246 >

この作品をシェア

pagetop