ユメ騎士〜イケメン男子達と秘密のアイドル活動始めます〜





 あまりに興奮して言ってくれるから、すごく断りにくい……。

 それに断ったら、クラスの女の子達にすごく怒られちゃいそうだ。

 もちろん、颯人くんに残念がられるのも理由だよ。

 でも最近、一加ちゃん達は金切り声を上げていない。

 代わりに、心臓が凍りつくような視線が来るんだけど……。

 うぅ、身体的にはダメージが来ないけど、精神的には致命傷並みにダメージが……。



「おい、颯人。お前、恵が困ってるぞ!少し離れてやれよ」



 玲くんが、私と颯人くんの間に入って、怒鳴った。

 なぜか、みんなも怒っている。

 私だったら震え上がるのに、颯人くんは少しも動じていない。



「同じ班の人なんだから、コミュニケーションを取るのは当たり前だと思うけど?それに、最近は恵ちゃんがため息ばかりついているから、励まそうと思ったんだよ。それを邪魔するのは、どうかと思うよ」



 その言葉に、6人は下唇を噛んだ。

 みんな反論ができないみたい。

 その様子に、仕方がないんじゃないかって思った。

 だって、颯人くんの言う通りなんだもの。

 だから、私もなにも言うことができなかった。




< 66 / 135 >

この作品をシェア

pagetop