君と過ごした世界は、どうしようもなく暖かいから
そして今に至る。

思い出したくもない過去だ。

高校生に入ってからはチカもどうでもよくなってきたのかさっきみたいにたまに絡まれるくらいといじめのような事も減りつつあった。

けれどチカはクラスの中心人物ということもあって誰も私と関わりたいとは思わず話しかけてくる人はいない。

それにチカの近くには佳奈がいる。
佳奈は周りに少し怖がられているからあまり皆も関わりたくないのだろう。

優しいチカに嫌われたらきっと皆も困る。

しかも私が話しかけようとしていないんだから周りも話しかけにくいのは当然だ。

けど別にそれでいい。

私なんかに話しかけないだけで皆が平穏に過ごせるなら特に悪いことはない。

そう思いながら私は日常を過ごしていた。


< 6 / 138 >

この作品をシェア

pagetop