私立花ケ崎学園で起きたこと。

やっぱ好き 翔side

俺がももに恋してから、あっという間に一年が過ぎた。
何だかんだあったけれど、やっと一つ上の階級(ランク)、スザクに上がることができた。
まだまだゲンブには遠いけれど、あと二年、本気で上り詰めてやる。

   ***

「っつ⁉」
俺はダンスの自主練中に足を捻ってしまった。
「いった、、、」
思わず、痛みに顔を歪めた。
「大丈夫ですか⁉」
そんな俺の後ろから聞き覚えのある鈴の()のような声がした。
振り返るとやっぱり焦った顔の桃がいた。
「ちょっと、足を捻っただけだ。大丈夫。」
「大丈夫なわけ、ないじゃないですか‼こんなに腫れてる、、、すぐに手当てしないと。」
「だいじょ、っ、、、」
「ほら、だめじゃないですか。ちょっと待っててくださいね!」
彼女はなにがなんでも手当してくれるみたいだ。
「動かないでくださいね。」
「はい。」
近くで見るとやっぱかわいいな、と思ってしまう。
入学式の時からおっきいめがねをかけてて顔は半分くらい見えないけど、心もきれいだし、やっぱ俺のものにしたい。
「できました!」
「ありがと」
「はい!」
このままここに居てほしいと、思ってしまう俺がいた。
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