ゼニスブルーの交差点






 気持ちの変化に最初は追いつけなくても、大きくなった朝貴はいつまでも私のこと大事にしてくれて、それはこれからも変わらないのだと思う。

 朝貴が私を見て泣くように、私だって朝貴を見て泣きなくなるくらい好きだと思うことがある。

 ハートの前で写真を撮ると、宝物が増えたって朝貴はニコニコだ。

「大袈裟だなぁ」

「あさなと二人で写ってる自分が、一番好きだからさ」

 ただこっちを見ているだけで幸せそうな朝貴と、騒がしいN街をトコトコ二人で歩いてゆく。

 このままずっと、どこまでも歩けそうな気になって、二人のこの先が自然と開けているようだった。





 ──朝貴との未来が、確信的に、見えていた。





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