ゼニスブルーの交差点
気持ち悪いな……とつま先に意識を向けていると、自分の隣に誰かが経つ気配を感じた。
赤い傘、目線の随分下に、尖った銀色の石突が見える。
──あさな……?
もしかしたら、そうかもしれない。
あさなも自分と同じように自転車やバスを利用して登下校をしており、極たまに同じバスになったことはあっても、特に関わることなく遠くから姿を眺めていた。
足の気持ち悪さが一瞬にして吹っ飛んで、意識がそちらに向かってしまう。