ゼニスブルーの交差点
第六章 『忘れた約束』





~中滿 あさな~

 花火大会の翌日──

 昨夜は正直、あまりよく眠れなかった。

 他のことを考えて目を瞑っているのに、思いもしなかった朝貴の声音が耳から離れず、午前四時くらいから眠ることを放棄していた。

 きついな……と体の怠さを感じながらバスに乗ったが、朝貴と一緒にならず、そうなると教室に入ることに異様な緊張をしてしまう。

 喧嘩したわけじゃないし、嫌なことされたわけじゃない。

 ただ、朝貴が昨日伝えてくれたことはビックリするような内容で、実感が湧かない。




< 526 / 1,125 >

この作品をシェア

pagetop