【マミーオカルト】水のないプール
第7話
9月7日頃であった。

この日、学校は8日に開催される体育祭の予行演習が行われていた。

しかし、直人《なおと》たちがいるクラスの子たちは学校行事に参加することを禁止されていたので、予行演習に参加できなかった。

この時、直人《なおと》たちがいるクラスでは追試が行われていた。

クラスの子たちは、ものすごくイヤそうな表情で数学の追試を受けていた。

そんな中であった。

直人《なおと》が座っている席の後ろから二番目の席に座っている生徒が小さな紙を取り出したあと、テスト用紙にそのままの答えを書いていた。

その時であった。

監視をしていた男性教師にカンニングしているところをみられた。

「コラ!!その紙を出せ!!」
「なにするんだよ!!」
「ださんかいコラ!!」

(ガーン!!)

男性教師は、カンニングしていた生徒のこめかみをグーで殴りつけた。

殴られた生徒は、すぐさま反撃したあとこう言うた。

「オドレクソセンコウ!!」
「なんやオドレ!!」
「やっつけてやる!!」

直人《なおと》たちは、このあとテスト用紙を破いたあと勝手に教室から出て行った。

そして、勝手に学校から抜け出したあと丸亀市内へ遊びに行った。

その日の深夜11時半過ぎのことであった。

直人《なおと》は、仲間たちと一緒に丸亀市内で遊びまくったあと家に帰らずに多度津の町内をうろついていた。

直人《なおと》は、その時に深刻な事件を起こした。

直人《なおと》は、桃陵公園《とうりょうこうえん》へ向かうほそい通り…

たしか少林寺拳法の総本山の敷地の裏の通りだったが、フラフラとした足取りでほそい通りを歩いていた。

その時であった。

左目に眼帯をつけていてくわえタバコをしながら自転車に乗っている高齢者の男性がボンヤリとした表情で考え事をしながら運転していた。

直人《なおと》は、危ないところでぶつかりそうになった。

直人《なおと》は、ワーッと叫びながら殴りかかって行った。

(ドカッ!!ガシャーン!!)

直人《なおと》は、高齢者の男性を自転車ごと倒したあと、奇声をあげながら強烈な暴行を加えた。

それから数分後に、直人《なおと》は刃渡りが鋭いサバイバルナイフで男性の顔をズタズタに切り裂いて殺した。

「ワーッ!!ワーッ!!」

事件を起こした直人《なおと》は、その後町内を逃げ回った末にどこかへ行った。

事件の翌日以降、直人《なおと》は学校を勝手に休んだと同時に観音寺市内の家にも帰らなくなった。

9月8日の朝9時半頃のことであった。

直人《なおと》が暮らしている家に高校から電話がかかってきた。

奈美が電話の応対に出た。

「もしもし…直人《なおと》はまだ家に帰っていません…すみませんでした…本人が帰って来られましたら学校に電話をするように言いますので…」

奈美は、受話器を置いたあとなえちゃんを連れて家から出た。

その後、白のシルクのスリップ姿の多香子《たかこ》が2階の部屋から居間にやって来た。

多香子《たかこ》は、ボンヤリとした表情でたたずんでいた。

多香子《たかこ》は、右手に持っているギャラクシー(スマホ)を手に取って、ラインを開いてやりとりをしていた。

奈美はなえちゃんを塾へ預けたあと、逃げるような足取りで宇多津へ向かった。

奈美は、宇多津の臨海公園(恋人の聖地)へ行った。

そこで奈美は、中学の時に大好きだったカレ(43歳・独身)に会った。

「奈美…奈美、お待たせ…」
「(元カレ)、(元カレ)…」

大好きだった元カレと再会した奈美は、カレの胸に抱きついて泣いていた。

「(元カレ)…会えてよかった…」
「オレも奈美に会えてよかった…」
「(元カレ)、(元カレ)…」

このあと、奈美は元カレが運転する車に乗った。

車は、宇多津の中心地から坂出市の海岸沿いの道を通って高松市香西北町の県道沿いにあるラブホへ行った。

ラブホに到着したのは夕方4時前であった。

ところ変わって、ラブホの2人がいる部屋にて…

奈美は、レモンイエローのモールドカップのブラジャーとネイビーのパッチワークデニムのジーンズ姿で元カレがシャワーから出てくるのを待っていた。

その間に、奈美はホテルの電話を使って家にいる多香子《たかこ》に電話をした。

「もしもし…多香子《たかこ》…もうすぐなえちゃんの塾が終わる時間なの…悪いけど、なえちゃんを迎えに行ってくれる?…おかーさん…今、人と会って大事なお話しをしているのよ…悪いけど…ピンチヒッターでなえちゃんを迎えに行って…お願い…」

電話を受けた多香子《たかこ》は、しぶしぶとした表情でなえちゃんを塾へ迎えに行った。

しょーがないわね…

ところ変わって、茂西町にある塾にて…

多香子《たかこ》がなえちゃんを引き取りに来た時であった。

なえちゃんは、メンセツのおけいこができていないのでおけいこができるまで居残り特訓をしていた。

「まだ帰ることができないのですか…」
「すみません…本来ならお帰りの時間になっているのですが…なえちゃん…メンセツの受け答えができていないので…」
「受け答えができないから、居残りをしているのですか…」
「すみません…うちの先生が…納得行かないというているので…」
「すみませんけれど、義母《はは》のケータイに電話をしてください…」

多香子《たかこ》は、塾の受付の人にひねくれた声で言うたあと、怒って塾から出て行った。

その頃であった。

奈美は、カレと一緒にラブホの部屋にいた。

ふたりは、ベッドの上で激しく求め合っていた。

「奈美…」
「ああ…(元カレ)…」

元カレは、奈美の右の首筋にキスをしたあと、Mカップのふくよか過ぎる乳房を包んでいるレモンイエローのブラジャーを無理やりはぎ取った。

はぎ取られたブラジャーの中から、Mカップのふくよか過ぎる乳房が露わになった。

「奈美…奈美…」
「(元カレ)…」
「甘えさせてよ…甘えさせてよ…」
「よしよし…よしよし…」
「奈美…別れてくれ…ダンナと別れてくれ…」
「ああああ…」

時は、深夜11時半過ぎのことであった。

なえちゃんは、夜9時半頃に塾の特訓が終わった。

しかし、多香子《たかこ》がブチ切れを起こしたので、代わりに奈美がなえちゃんを迎えに行った。

ところ変わって、家の居間にて…

多香子《たかこ》は、家の居間でポップコーンを食べながらテレビをみて過ごしていた。

その時、奈美が疲れた表情でなえちゃんを連れて帰って来た。

奈美は、帰って来るなりテレビをみている多香子《たかこ》に対して怒ったので、大ゲンカになった。

「おかーさん!!うちがどうしてキレたのかと言うことがゼンゼン分かっていないわね!!おかーさん!!お願いだからなえちゃんのお受験を今すぐにやめてよ!!」
「ちょっと…どうしてそんなひどいことを言うのよ…おかーさんはなえちゃんが土佐泊女学院に合格することができるようにと想って一生懸命になってがんばっているのよ…」
「ムリよ!!1歳半の小さい子にいきなり名門の女学院のお受験なんてムリよ!!おかーさんがなえちゃんにムリを押しつけるのであれば、うちにも考えがあるから…おかーさん!!」

このあと、多香子《たかこ》と奈美は強烈な声でどなりあいの大ゲンカを起こした。

そんな中であった。

多度津町内で深刻な事件が発生した。

場所は、町内若葉町にある公園にて…

公園の敷地内にて、自転車に乗ってくわえタバコをしながらボンヤリと考え事をしていた高齢者の男性が襲撃を受けた事件が発生した。

(ドカッ…ガシャーン!!)

直人《なおと》は、自転車に乗っていた高齢者の男性に対してワーッと叫びながら向かった。

そして、自転車に乗っていた高齢者の男性をシツヨウに攻撃した。

「死ねや上級国民!!」
「やめてくれ…」
「ワーッ、ワーッ、ワーッ…」

直人《なおと》は、高齢者の男性がぐったりとなったあと、揮発油を大量にかけて、男性が持っていた電子ライターで火をつけて焼き殺した。

直人《なおと》は、事件を起こしたあとその場から逃走した。

恐ろしい悲劇は、このあともまだまだ続いた。
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