君が生まれ変わっても










あれからどれくらい気を失っていたんだろう………



確か僕はクマに追いかけられて、そして逃げる途中で崖から転がり落ちて………


落ち着け………まず、クマはどこ行った?



僕は、辺りを注意深く見渡してみたがクマはどこにもいなかった。


きっと僕が崖から転がり落ちたので、追いかけるのを止めて山へ帰ってしまったのだろう。


次に………僕は果たして生きているのか?


自分でもおかしな事を言っているとおもうが、なにしろ昨日【異世界転生】の話をしていたばかりである。


だから今は、心臓が動いていれば生きている。みたいな単純な判断がはたして正しいのか、よく分からなくなっている。



僕は、暫く考えた後にポケットからスマホを取り出して自撮りの写真を撮った。


そしてその写真を見る………



もしも僕が死んでいて、尚且つこうやって動いてるという事は異世界転生しているという事になる。


だとしたら、今ここにいる僕の姿は別人の姿をしていなければおかしい。


幸い、今撮った自撮りの僕はまぎれもない僕の姿だった。


という訳で、無事クマの襲撃から無事逃げる事が出来たようだ。僕は一安心し、水彩画の道具を仕舞いに駐車場の車へと向かった。



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