まんまるお月様とおおかみさんの遠吠え①~人狼夫たちとのドタバタ溺愛結婚生活♥~
 優しい声音で理人さんが、動きを止めた私に尋ねる。

「いえ。なんだか、無性に恥ずかしくなって」

 また見上げたら、そのままぎゅっと強めに抱きしめられた。

「透子さんは、本当に可愛いですね」

 理人さんの声が本当に愛おしそうだったので、そんなことが初めての私はちょっと鼻がむずむずしてしまった。

「からかわないでください」

「からかっているように、見えますか?」

「……やっぱり練習やめます」

 彼から離れようとした私を、彼はもう一度抱きしめた。

「どうしてですか?」

「理人さんは、怪我してるし」

「痛みも引いてきたし、もう平気です」

「雨の中帰って来て、このままだと風邪を引くかもしれないし」

「……透子さんが温めてくれれば、平気です」

「もう……言い訳が、見つかりません」

 拗ねた表情になった私に、理人さんはふふっと笑うとまた軽くキスをする。

「僕が、逆にしても良いですよ。透子さんの体中にキスをして、舐めて、気持ち良くしてあげたいです」

「うう……」

 その光景を想像してしまって、私は思わず唸ってしまった。

「どうしたんですか?」

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