まんまるお月様とおおかみさんの遠吠え①~人狼夫たちとのドタバタ溺愛結婚生活♥~
036 うたたね
「ヒサキ兄さんは、彼女をずっと見守っているの。今の世界を作り出すために、狂ってしまった死神が起きないように。ずっとここに居るの」
暗闇に浮かぶ赤い唇が、動いた。何処か舌ったらずなその声を聞きながら、私は目を開いた。
まぶしい。
変な夢を見ていたみたいだ。身体中に、変な汗がじわりと湧きだしているようで、私は震えた。
「透子? 起きた? こんなところで寝ると、風邪引くよ」
「……誰?」
「え? 俺、春だけど」
春くんはその大きな茶色い目を見開いて、私の間近で驚いた顔をした。そうだよね。そうなると思う。記憶失ったみたいになってしまった私は、慌てて弁解した。
「あ。ごめん。春くん、違うの。そう言う訳じゃなくって。夢の中に出て来た人の話」
暗闇に浮かぶ赤い唇が、動いた。何処か舌ったらずなその声を聞きながら、私は目を開いた。
まぶしい。
変な夢を見ていたみたいだ。身体中に、変な汗がじわりと湧きだしているようで、私は震えた。
「透子? 起きた? こんなところで寝ると、風邪引くよ」
「……誰?」
「え? 俺、春だけど」
春くんはその大きな茶色い目を見開いて、私の間近で驚いた顔をした。そうだよね。そうなると思う。記憶失ったみたいになってしまった私は、慌てて弁解した。
「あ。ごめん。春くん、違うの。そう言う訳じゃなくって。夢の中に出て来た人の話」