まんまるお月様とおおかみさんの遠吠え①~人狼夫たちとのドタバタ溺愛結婚生活♥~
昨日と同じような、濃紺のスーツ姿だった。光沢のある素材のネクタイも完璧に色が合わせられていて、全く隙がなく立ち姿も美しい。
「おかえり。理人。待ってた~」
「何かあったか?」
理人さんは、眉を顰めつつジャケットを脱ぎながら答えた。私は彼が脱いだジャケットを受け取り、リビングに常備しているハンガーへと掛けた。
「……久祈さんてさ。敵なの、味方なの?」
彼らの兄弟の関係について敢えて踏み込んだような言葉を、春くんは使った。テーブルの上には料理の載ったお皿は並べ終えたし、後は部屋でまだ仕事をしている雄吾さんを呼ぶだけの状態になっている。
「……何のことだ?」
「小夜乃が、透子の夢に出てきたらしいよ」
「透子さんの?」
いきなり表情をなくして、理人さんは私の方向に向かって来た。軽く腕を取られて、顔を近づけて問い掛けられた。
「何を、されました? あの子に、何か言われましたか?」
「えっと……実はあまり覚えてないんです。最後に良くわからない死神の話を、されただけで」
「死神?」
「おかえり。理人。待ってた~」
「何かあったか?」
理人さんは、眉を顰めつつジャケットを脱ぎながら答えた。私は彼が脱いだジャケットを受け取り、リビングに常備しているハンガーへと掛けた。
「……久祈さんてさ。敵なの、味方なの?」
彼らの兄弟の関係について敢えて踏み込んだような言葉を、春くんは使った。テーブルの上には料理の載ったお皿は並べ終えたし、後は部屋でまだ仕事をしている雄吾さんを呼ぶだけの状態になっている。
「……何のことだ?」
「小夜乃が、透子の夢に出てきたらしいよ」
「透子さんの?」
いきなり表情をなくして、理人さんは私の方向に向かって来た。軽く腕を取られて、顔を近づけて問い掛けられた。
「何を、されました? あの子に、何か言われましたか?」
「えっと……実はあまり覚えてないんです。最後に良くわからない死神の話を、されただけで」
「死神?」