まんまるお月様とおおかみさんの遠吠え①~人狼夫たちとのドタバタ溺愛結婚生活♥~
「あいつが用意してくれたのは、プライベートプール付きの部屋だそうだ」

「……え?」

「俺たちの水着も、用意してくれるらしい……嫌なら使わないで、構わないらしいが」

「え? すごい……プール付きの部屋なんて、嬉しいです! 私。プール、すごく好きなんです」

「……そうか? それなら、良かった」

 急に前のめりになった私に、雄吾さんは少し顔を赤くしてから頷いた。

 そう。海にはあまり行ったことはないけれど、夏には元の世界でもプールには良く行ってた。もっとも、異性と行くのは産まれて初めてだけど。

 心浮き立ちウキウキしている私を横目に、雄吾さんはなんだか浮かない顔だ。あまり見ないそんな様子に、私は不思議になって聞いた。

「え。雄吾さん。どうかしたんですか?」

「すぐにわかることだから、先に言っておくが……子どもの頃からなんだが、俺はあまり泳げないんだ」

 そんな話をしつつ、恥ずかしそうにする雄吾さんに私はなんだか面白くなって言った。

「雄吾さんにも苦手なもの……あるんですね」

「……子竜。あいつ、プール付きの部屋は絶対に故意だな」

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