まんまるお月様とおおかみさんの遠吠え①~人狼夫たちとのドタバタ溺愛結婚生活♥~
「私。一緒に居てって、言っただけだよ」

 彼は弱い力で歯を立てて、私の薬指をかじる。

「ん。透子の味がして美味しい。ほんとに細くて小さくて可愛いなぁ。もっと舐めて良い?」

「ちょっ……ちょっと待って。ダメだよ。春くん、序列、あるんでしょ?」

「まぁ……あるけど。今日は絶対に最後までは、出来ないし……透子がもし本当にそれを望んだら、別に殺されはしないんじゃないかな……二人に半殺しにされるかもしれないけどね」

 春くんはくすくすと楽しげに笑いながら、私の手から彼の身体に見合う大きな手を離した。肩をすくめながら、優しく笑う。

「……半殺しになるの?」

「人狼の序列は、絶対だからね。例えば、俺があの二人に逆らえば、理人と雄吾からその力を持って制裁をくらうか。群れを出されるか。どっちかになる」

「……その割には時々逆らってるよね?」

「ふっ……そうだね。まあ、理人と雄吾はなんだかんだ言って、優しいから。だから、優し過ぎて群れを……」

 その時、ガンっと音がして、春くんが隣からいきなり居なくなった。私はただただ驚くしかない。

 えっ……? 今、何が起こったの?

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