君はみんなの人気者   ー私たちの出会いは?!
「あの、これっ、今落としましたよ」

その人が手に持っていたのは私の生徒手帳だった。

いつもポケットに入れてるから…


「…ありがとうございます」

と、言ってその人の手から取ろうとしたら…


「花咲(はなさか)高校の…歌川蛍」

と、言いながら生徒手帳を上にヒョイとやられた。

その人の背は高くその人が手を伸ばしたら私には届かない。

てか、個人情報!!


「…蛍さ、俺のこと怖くないの?」

急に名前!!


「俺、この格好だからかさ、電車乗っても隣の人誰もいないんだよね」

と、その人は少し悲しそうに言った。


「別に…何も気なさてなかったです。てか、返してください。」

そんな悲しそうな顔するから!

怖かったなんて言えないじゃん!


「そっか、俺、琥珀翔。はい、これ」

琥珀さん…

と、言って生徒手帳を返してくれた。
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