愛していますよ、だから幸せになってくださいね!

 いつの間にかくすくすと笑っていた。

 思っているよりも傷は塞がりつつあるのかもしれないけど、いつまた気持ちが溢れるかも分からない。


「泣いている顔も可愛かったけど笑っている方が良いよ。連れて行きたいところがあるから次は出掛けよう。返事がなくても連れていくからそのつもりで」


 冗談めかしてウェズリー様は言うけれど、とても良い人だと思った。

 浅黒い肌は健康的だし黒い髪の毛にルビーのような赤い瞳はなんだか新鮮で居心地が良かったから十回もお会いしたのかもしれない。



< 29 / 107 >

この作品をシェア

pagetop