愛していますよ、だから幸せになってくださいね!

 案内された部屋はサロンでも応接室でもなく、なんと防音室で楽器などを弾くときに練習をするような部屋だった。


「こちらですか?」

「……そのようでございます」


 南の国の王子殿下を招くには些か不似合いの場所に思えました。

 不安がよぎる……

 ウェズリー様に気づかれないようにしなきゃ。顔に出そうになったので下を向いて堪えた。王妃様は一体何を?


「ウェズリー殿下、ミシェルようこそ」


 中はちゃんとお茶会仕様に飾られていた。ウェズリー様と王妃様に挨拶をして席についた。


「ミシェル、帰ってきたならちゃんと言ってほしかったわ。心配していたのよ」


「ご心配をおかけして申し訳ございませんでした。王妃様お久しぶりでございます。お元気でいらっしゃいましたか?」


「あら? 心配してくれるの。偉くなったものねぇ。ジュールがダメだったものだから、南の国の王子殿下を捕まえたのかしら?」


 何を言って……!


「貴女のせいでジュールが大変な思いをしていたのに、よくもまぁ平気で帰ってこれたものだわ!」


 大きな声が響き渡るような感覚でした。あぁ……だからここで?
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