愛していますよ、だから幸せになってくださいね!

「王女殿下に初めてお目にかかります。アルディ伯爵が娘ミシェルと申します。よろしくお願い致します」



 ミシェルは完璧な挨拶をした。



「あらそう、貴女がミシェルとやらね。覚えておきますよ」



 なんだ? こんな失礼な態度を取るような人ではなかった筈だ。よく見たら肌の色も不自然に白い……この国に合わせているのだろうか? 女性は大変だ。


「ミシェルがこの離宮によく来れたな。ウェズリー殿に感謝すると良い」


 ジュールが少しバカにするように笑いながら言った。ミシェルは笑みを浮かべたまま聞き流しているようだ。なんだこいつらは! 失礼極まりない態度だ……!



「私の婚約者がそんなに気に食わないとは……残念だ。ミシェル明日の早朝にはここを出ようか。陛下が用意をしてくださったが私はとても気分が悪い」


 ミシェルの肩を抱き悪意から守るように告げた。ここに来たのは私の失敗だ。そもそもミシェルは来たくなかったのだから。


「下賤な身で来るような場所ではありませんものね」


 プリシア王女が言うとジュールがそこまでの出ではないと宥めた。……下賤だと? ミシェルの事か……
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