愛していますよ、だから幸せになってくださいね!

 久しぶりに王太子殿下と婚約者のブリジット様に会った。


 あのお茶会以来の事だった。

 ジュール様からもあまりお話を聞かないし、この国の事を学ぶことに夢中ですっかりと忘れていた。


「お久しぶりですわね、プリシア様お元気でしたか?」

「プリシア王女、今からブリジットとお茶をするところだったんだが、良かったら一緒に如何かな?」


 そう言われると断れないので、お邪魔させてもらうことにした。


 この二人はとても仲が良い。政略結婚と聞かされていたけれど、穏やかでこの国の偉そうな高位貴族とは少し違って見えた。

 ジュール様と例の伯爵令嬢の話を聞いた。王妃様の話とは少しずれがあって聞こえたけれど、私のおかげで元気になったという見解は同じだった。


 憎き伯爵令嬢の事を素直で良い子だった。幸せになってほしい。とブリジット様は言った。

 人を傷つけておいて伯爵令嬢如きが幸せになる権利などないですわ。と答えると二人はとても驚いていた。


 王太子殿下が私の妃教育の教師を一刻も早く変えるようにと言ったけれどそれはお断りした。早くこの国に慣れなくてはいけないもの。

 何度も何度もしつこく言ってくるものだから、国へ報告しますわよ? と言うと渋々引き下がったけれど、よく考えてほしい。とまた言われた。

 ブリジッド様はなぜか私をブリジッド様の友人に会わせようとし、お茶会に誘われたけれど、その日は王妃様との約束があったので断ったわ。


 その後ジュール様が王太子殿下に呼び出されたらしく、何があったのか? と聞かれたけれど、何でもありませんわ。と言った。

 ジュール様の傷ついたお心を癒せるのは私だけですもの。


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