「信じられない」を、「真実の愛」に変えてくれたキミへ

男子リレーの種目がやってきた。

最初は、本田くん達が走ることになっている。



「本田がんばれー!!」



男子の“本田”という呼びかけに対して、まるで自分が呼ばれたかのように、肩をピクンとさせる翠。


あまりの可愛さに頬が緩むところだったけれど、そうこうしている間に本田くんはそばまで走ってきていた。



「応援のチャンスだよ!」



顔を赤くしてポーッと見てばかりの翠の肩を、わたしがポンと叩いてやると、我に帰ったようだった。



「ほ、本田くん頑張れー!!」



本田くんの近くで、翠は精一杯に声で応援することができた。



「大丈夫、きっと翠の応援は本田くんに届いたよ」



本田くんは、あっという間にゴールに到着。
次は、なんとひーくん達だった。



「ほらほら、百々葉も増田くん応援してあげて!」



いつの間にか、翠はわたしの後ろで背中を押してきていた。



「ひーくん頑張って!」



多分、わたしの声はさっき本田くんを応援する翠よりも小さかったと思う。

聞こえてるかどうかは、怪しいよ……。




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