野良ヴァンパイアに吸血契約されちゃいました
「心羽おはよ〜」



「あ、茉莉花(まりか)おはよう」



教室に入ると友達に声をかけられた。変わり映えのない日常。昨日のことがあってから、この日常に酷く安心する。


茉莉花と少し喋った後にガラガラ〜と先生が入ってきた。


教室中が慌てたように席に着く。


もれなく私も席に着いた。



「それでは、これからホームルームを始める。その前に…みんなに転校生を紹介する」



教室中が一瞬でどよめいたのが分かった。


高校生にもなって転校生って…いったいどんな子なんだろう。教室中が期待と不安でいっぱいだっただろう。


「入ってきていいぞ」という担任の声と共にドアを開けて入ってきた子に私は驚きを隠せなかった。


それは紛れもなくルカくんだったからだ。



「天堂、自己紹介を頼む」



「はい。天堂ルカです。この白銀色の髪は地毛です。みなさん、これからよろしくお願いします」



やっぱりルカくんだった。


私は驚きのあまり口をパクパクとさせた。



「ということで、天堂だ。みんな、仲良くしてやってくれ。天堂、あそこの席がお前のところだ」



そう言って先生が指差したのは私の斜め後ろの窓際の席だった。


なんでよりによって…と思ったが運命は覆せない。　
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