野良ヴァンパイアに吸血契約されちゃいました
遂に来てしまった……今日が。


ルカくんに初めて吸血されてから一週間が経った。絶対今日、吸われる。そう思うと学校に行くのが憂鬱になってくる。


吸血されることは普通ではあり得ないことだ。というか、ヴァンパイアがいること自体あり得ないのだが。


時計をちらりと見た。やばい遅刻する。


私はカバンを持って家を飛び出した。


少し歩いて、茉莉花の家まで行く。そこから茉莉花を連れて学校に行くのが私の日課だ。


家のインターホンを押し、茉莉花が出てくるのを待った。


30秒程でドアが開いて私の友達が現れた。



「おはよ〜」



「おはよ」



呑気に挨拶を交わし、私たちは歩き始めた。



「ルカくんが学校に来てから、波瀾万丈なことしか起こらないね〜」



そう言った茉莉花に私は食い気味で「うん!」と言った。私に関しては会ったときから血を吸われたり一生添い遂げろとか言われたり波瀾万丈どころか、もはやおかしい人生だ。



「そういえばさ、ルカくん、いつも心羽のこと見てるよね〜」



そうなんだ…。そうだろうな〜とは思っていたが、第三者目線からでもそう見えるのか。



「それに一軍女子たちが怒ちゃって」(笑)



「茉莉花、全然笑い事じゃないよ」



「ごめんごめん」
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