野良ヴァンパイアに吸血契約されちゃいました
「ふっ、上出来」



わしゃわしゃと頭を撫でられた。頬が赤いのに気付かれませんように。私はドキドキしながらそう願うしかなかった。



「そうと決まれば帰ろう。ゆっくり」



「うん」



私たちは今度こそ校門に向かった。



そこから私達はいろいろな話をした。


好きなもの、嫌いなもの、ヴァンパイアについて…。


ともかく沢山話した。


たまたま家の方向が同じだった。私の家に着くまで話した。



「家、着いちゃった」



「そうだね」



「楽しかったよ。ありがとね」



「ううん、俺の方が楽しませて貰った」



「また明日?」



「うん。また明日」



バイバイと手を振り自転車を漕ぐルカくんを見送った。




「行っちゃった…」



楽しかったな。高校に入って茉莉花以外でこう感じたのは初めてだった。



また明日喋りたい、そう思って私は家に入った。
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