野良ヴァンパイアに吸血契約されちゃいました
「ごめんなさい」



咄嗟に声が出ていた。



「じゃあ、ルカくんに言ってよ!ごめんねって。私じゃなくて恵美のこと好きになってって」



「それも、ごめんなさい」



「は?てめぇが言える立場じゃねぇだろ」



確か彼女は…誰だっけ。分からないや。



「私も、ルカ君のことが好きかもしれないから」



みんながポカンッとした。



「そっか、そっか。」



解放される。そう思った自分が馬鹿だった。



「じゃあ、諦めるまでいじめてあげる」



「え?」



ドゴッ‼︎



「ッウウ」



吐き気が込み上げてくる。


それもそうだろう。お腹を一蹴りされたのだから。


それからは酷かった。


下着だけの私を撮影する者、蹴る者、罵声を浴びせる者。


五対一で勝てる訳ないじゃん。


茉莉花、もう疲れた。


ルカくん、助けて。


こんなの、どうすればいいのよ。


彼女らは私の反応を見て楽しんでいた。


そのスマホで撮影したのどうするのかな。


どうせネットか何かに上げるんだろうな。


もう、どうでもよかった。


己を鼓舞するのも疲れた。



「どう、諦める気になった?」



「絶対に、嫌です」



私、意志堅いな…。


はいって言えば楽になれるのに。
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