来る日も来る日もXをして

みかん色のキス

日曜日の午後。部屋の前に着きインターフォンを鳴らすと、明日(あけひ)先輩───少年の姿のままの───が出てきた。相変わらず見とれてしまうほどの美少年である。

───今日ここにまた来たってことは、先輩の打診を承諾したことになる、よね・・・?正直まだ決心はついてないけど、ほっとけない・・・。

キスをしなくてはならないタイムリミットは近づいていた。明日は月曜日。週始めの定例ミーティングで先輩はキャンペーン準備の進捗状況を説明することになっている。

──もし先輩が大人に戻れなくて仕事休んだとしても説明は他の人でも出来るけど・・・。

先輩と部屋にいても金曜日(一昨日)ここに来てすぐの時に感じたような気まずさを感じることはもうなかった。私が買ってきた和スイーツを一緒に食べ、その後キスに関する話をするわけでもなくまったりと時間は過ぎていき、気づいたらこたつの上のみかんと同じ色の夕日が射し込んでいる。
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