来る日も来る日もXをして

倉庫での秘め事

午後。ここまでのところ特に何かを言われたりだとかこそこそ噂されているような様子はない。私が気づいていないだけかもしれないが。

とは言え資料を探すために倉庫に入って一人になるとホッとする。

───明日(あけひ)先輩、何時くらいに帰ってくるかなぁ。

今日は木曜日。一週間前の今日、私は先輩に急にキスされた。あの時はブチキレたのに、今は早く先輩に会いたい。

───いや!好きになったとかじゃなくて、東雲(しののめ)くんのことで先輩がいたら安心するってだけだし。

───この辺じゃなかったっけ?

お目当ての資料を探して奥に入っていくと人の声が聞こえた。

───この、可愛らしい声は・・・愛来(あいら)ちゃん・・・。

「いいでしょ? 忍くんのマンションも漫画の中の世界みたいで素敵だけど、会社で、とかしてみたかったの。そういうのも漫画であるし。」

「いや、僕は会社ではしない主義だから。」

東雲くんが答える。二人は同期だ。愛来ちゃんはアプリで大人な漫画を読むのが大好きだった。

「じゃあ・・・その主義、変えさせる。」

少しの沈黙があって『胸、下着からこぼれそうだね。』と東雲くんの無表情な声が聞こえた。

───も、もしかして服脱いだの!?

愛来ちゃんは小柄で華奢だけれど、かなりのナイスバディだった。

「ふふ・・・また大きくなっちゃったんだぁ。肩凝っちゃって困るの。忍くんマッサージしてよぉ。前からお願いしてるじゃない。」

「料金きっちり払ってもらえるのなら。」

「それは無理だよ~体で払うのはダメ?なんでもするから。」

「ダメ。」

「も~いじわる。でもとりあえず会社でイケナイコトできたらいっか。」
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