暴君CEOの溺愛は新米秘書の手に余る~花嫁候補のようですが、謹んでお断りします~
もう一つの秘密
ん、んん。
目が覚めて見えた景色に、私は焦った。

ここは・・・
見覚えのある天井と大きな窓。
大きなデスクと高そうな絨毯。
間違いない、ここは一条プリンスホテルの副社長室だ。

えっと・・・
朝一番で創介さんと谷口課長と圭史さんがいて、私もその場に呼ばれた。
そこで、今回の船荷紛失の犯人が圭史さんだったと知った。
もちろんそのこと自体にも驚いたけれど、動機に私がかかわっていると聞き動揺したし、圭史さんとの出会いについても嘘があったと知りショックだった。
色んな事が重なって、私は倒れてしまったらしい。

「ほら見て、凄いわね。こんなに勉強している」

ん?
いきなり聞こえてきた桃ちゃんの声。
背中の方から聞こえるってことは、執務室にある私のデスクの方向。

「人一倍まじめだからな」
「見て、電話がかかってきた相手の特徴や話し方、好みの手土産まで一人づつまとめてあるわ」

ヤダ、きっと今私が作った作業マニュアルを見ているんだわ。
少しでも仕事に役立てばと思って毎日書いているものだから綺麗ではないのに、恥ずかしい。

「どうだ、業務分担して少しでも望愛の仕事を減らしてやれそうか?」
「そうねえ、できなくはないけれど、望愛さんがどう言うかしら。きっと、自分ではダメだから仕事を減らされたって思うんじゃない?」
「そこは俺が話すから、心配ない」
「そう、ならいいけれど」

聞こえてきた二人の会話を耳にして、私は再び目を閉じてしまった。
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