イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。

そんな……。


やっと見つけたのに。私の、大切なお母さん。



「だったら私が皇家に行って政略結婚すればお母さんに会えるんですよね!?それだったら今すぐ行きます!」


「聖奈!?落ち着け!」



お母さんに会いたい一心で嫌だと思ってもそう叫んだ。涙が後から後から溢れて止まらない。


柴崎くんが私のことをなだめてくれるけどそれもきかない。


お母さん、お母さん……お母さん!



「離して!私はお母さんに会いたいの!」


「気持ちはわかるがお前はここにいろ!皇家に行くなんて俺が絶てぇ許さねぇ!」


「僕も許さないよ!可愛い聖奈ちゃんをあんな危ないところに行かせない!必ず聖奈ちゃんのことは守る!」


「……うわぁぁぁぁ!」



柴崎くんはぎゅうっと私を抱きしめると耳元で何度も大丈夫とささやいてくれた。


柚月も私の手を力強く握ってくれて、なんだかとても安心した。
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