イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。

にやりと笑って私を見る。


周りの人からも圧力がかかって何も考えられない。もう、何も……。



「聖奈は……物じゃねー。ちゃんと自分の意思を持った1人の女の子だ。お前らの好き勝手にはさせねぇよ!」



だんだんと冷たくなっていく手。


何も言えずに、下を向いていると柚琉が怒った口調でそう言った。



「そうだそうだ!聖奈ちゃんは世界で1番かわいい女の子!君たちには絶対渡さないよ!」



柚琉、柚月……。


2人の頼もしい声に自然と涙があふれる。最近、泣いてばかりだなぁ……。だけど、これは……。



「……ふふ、あはは!まぁよろしいでしょう。今日は弟子を回収しに来たまでです。これから楽しいことが起こりそうですねぇ……。それでは、あと片付けを」


「「「はい!」」」



皇賢太は私達を見ると高らかに笑う。


私はそれが不気味でそっと顔を上げると運悪く目が合ってしまった。その瞬間、表情が氷のように冷たくなる。
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