イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。

だけど次の瞬間、次々に柚琉に人が襲いかかる。真嶋颯も戦闘態勢に入っていて、すごい形相で睨んでいる。


もしかして……今が逃げるチャンスなんじゃない?


そう思って、私はそっと真嶋颯から離れようとする。だけど……



「おい、どこへ行く」


「ひっ!」



あっさりと真嶋颯に見つかった。パシッと腕を掴まれ、自分の方へと引き寄せる。真嶋颯の温もりが体に触れた時、気持ち悪くて仕方なかった。


早く……柚琉の元へ……行きたい!



「その顔も素敵だよ……」


「やっ……!」


「兄さん!お待たせ!」


「総長、俺らも参加するぜ!」



徐々に近づいてくる真嶋颯の顔。嫌な予感がしてぎゅっと目をつむる。


だけど顔が触れそうなギリギリのタイミングで、また、この部屋に誰かが乗り込んできた。


そっと顔を横に向けると、



「柚月!みんな!」



頼もしい仲間の姿があった。
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