イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。

腕の中で柴崎くんとお母さん……?の声を聞きながら呆然とする。


な、なんで柴崎くんのお母さんに私は抱きしめられているんだろう……。それに、私の名前を知っているようだった。



「ちょっと、母さん近すぎ!聖奈ちゃん困ってる!……って、父さんいたの!?」


「柚琉、柚月、ただいま」



柚月が拗ねたような声とともに私とお母さんを引きはがす。そしてさらに後ろから優しい声色の男性がいた。


その人は柴崎くんと柚月と瓜二つで、とてもそっくり。私を抱きしめてきた女性も柴崎くんたちと似ていた。


人目見てこの人たちは、優しい家族なんだなってわかる。みんな……優しい目をしていた。



「あらあら。お母さんに嫉妬ですか?嫉妬深い男は嫌われるわよ」


「そ、そんなこたないもん!聖奈ちゃんは優しいからそんなことない!」


「柚月、あまり調子に乗るなよ。聖奈の優しさなんてみんな知っている。お前、無駄にマウントとるな」
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