別冊・ダブルブルー
「蒼ちゃん。蒼ちゃん」



耳元で、青さんの優しい声がひびいた。



「…なんです、か…?」



目を閉じたまま、ゆっくりと青さんに問いかけた。



「たとえ、鼻が低くても好き、だよ?」


「…は!はいッ?!」


すっとんきょうな、私の返した裏声に。


ふふふ。


いつものように、おだやかに笑い返した青さん。



「だってほら、鼻先よりもほっぺたが冷たいなんて。鼻が低いってこと、でしょ?」


「…い、いまッ!盛大にディスってますから!気づいてます?!ねぇ、気づいててわざとッ?!」


そんな私の追求にも、


ふふふ。


笑って返す、おだやかな、ひと。




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