君の愛に酔う      ~藤の下で出会った2人の物語~
「これは・・・」
カメオの中にはウィリアム国王によく似た女性の写真と、
その女性と一緒に写る幼いウィリアム国王の写真があった。

「それでは、やはり。貴女は・・・」
「私にはもう行くあてがありません。許されるなら、ウィステリアで新しい人生を歩みたいと思っています。」
「ジゼル様、今までの非礼をどうぞお許しください。そしてよくぞ無事でここまで生きていてくださった。私が責任を持って、貴女様を国王陛下の元へお連れいたします。」
エヴァンズはウィリアム国王に早馬を飛ばし、
部下に命じて上等な馬車を用意させる。

「ジョン、大手柄だ。お前のとっさの判断が王女様の命を救った。」
「は、え?王女様?」
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