君の愛に酔う      ~藤の下で出会った2人の物語~
「ジジは藤の花言葉を知っている?」
「『優しさ』や『歓迎』という意味がありますね。」
「そうだね。でもその他にも『君の愛に酔う』という意味もあるんだよ。今の私がまさしくそうだ。私の妻はジジ以外考えられない。」
ユリウスの甘い言葉にジゼルは思わず顔を赤くしてしまう。
(私もユリウス様と同じ気持ちだと伝えなくちゃ・・・)

「巻きついて絡みつく藤の姿から、『決して離れない』という言葉もあるそうです。ユーリ様が私を愛してくださる限り、私もユーリ様のお側を決して離れません。」
ジゼルの言葉を聞いてユリウスの抱きしめる力が一層強くなる。
言葉はなくても、それだけでユリウスの気持ちが十分伝わった。

「この藤の花のように私たちは決して離れず、ずっと一緒だ。これからは2人で、この藤棚を大切に育てていこう。」
「えぇ、ユーリ様。」

様々な困難を乗り越えてようやく身も心も結ばれた2人は、
藤棚の下で長い口づけを交わし、永遠の愛を確かめ合うのだった。
< 246 / 247 >

この作品をシェア

pagetop