ホワイトビターショコラ〜幼馴染からの卒業〜
…本当は、用意してる。
手作りなんて渡したら重く受け止められそうだから、市販のホワイトチョコレートを買った。
ホワイトチョコは「純粋な気持ちを受け取って」という意味があるらしい。
この気持ちは清廉潔白なもので、何かを望んでるわけじゃない。
ただ、あなたが好きなだけなの。
…なんて、それのどこが純粋な気持ちなんだろう?
笑っちゃうよね…。
どうするか悩んだ挙句、私は九竜くんの部屋の前にチョコを置いた。
名前は書いてない、メッセージも特にない。
こんな名無しのチョコレート、捨てられてしまうかもしれない。
それでもいいの。
これは告白できない私の想いの代わりだから。
返してくれなくてもいい。
ただの私のエゴなんだ。
「…好きになって、ごめんね…っ」
胸の奥に押し込むことしかできない、私の初恋。
やめられたらいいのにって思うのに、やめられない。
どうして想いは募っていくばかりなんだろう――…。