私に3次元恋愛は向いていない
第一章
真っ暗な部屋の中で、テレビの画面が切り替わる。
「何その展開ぃぃ…」
ボリボリとスナック菓子を口に運びながらゆっくりと口角が上がってしまう。
スナック菓子を食べる手を止めると、テレビの音がより一層大きく強調された。
<は、離してよ…>
ヒロイン役の女の子のムスッとした顔がテレビに映った。今人気の声優の声だとすぐに分かった。
「来るぞ、来るぞ…!!」
思わずソファのクッションを握る。
<俺じゃダメなのか…?>
声優さんのイケメンボイスが部屋中に響いた。
「来たー!!!!」
クッションを強く抱きしめてしまう。
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