「桃先輩は可愛い」【完】
「桃先輩、もう大丈夫。」
駅前の並木道を一人で歩く。
一人で帰るのは久しぶりだな。
最近はずっと冬野椿か、柚と一緒に帰っていたからなんだか違和感。
今日は先生の雑用手伝ってたら、外は真っ暗になってた。
ジャリッーーー
…なんかさっきからつけられてる気がする。
いや、きっと気のせいだと思う。
でも気にし始めてしまったら、気になって仕方ない。
試すように、早歩きをして巻こうとするけど、着いてくる足音。
その足音に背筋が凍る。
チラッと後ろを見ると、50代くらいのスーツを着たおじさんがこちらをニヤニヤしながら見ていた。
…どうしよう。怖い。
こんなこと初めてどうしたらいいかわからない。