スキがない総長の大胆な溺愛


「私と一緒…」

「そう言えばそうだったね」



この家に来る前に「同居するなら家から荷物を持って来ないとね」という事になった。

律儀に住所を書いた生徒手帳を、律儀に持ち歩いていて助かった。



「(にしても、持って来すぎちゃったかなぁ…?)」



アパートから持ってきた荷物が重たくて抱えていると、「大変そうだね」と呑気な夜野くん。

女の子が持つには大きくて重たい荷物を持つ私に、彼は「代わりに持つよ」とは言わなかった。



「(まぁ、それが普通だよね。変に優しくても怖いし)」



そうこうしている内に、夜野くんが部屋の中に入ったので私も続く。



「どうぞ」

「お、お邪魔します…」



部屋の中を見てビックリした。

だって、必要な家具以外は何も置かれてないんだもん…。
< 19 / 235 >

この作品をシェア

pagetop