ひだまりで誓う桜色の愛
神出鬼没な想い人
午後3時過ぎ。小腹が空いてくる時間帯。

今年の春で開店3周年を迎えるこのカフェは、今日も大勢のお客さんで賑わっている。



「いらっしゃいませ。ご注文はお決まりでしょうか?」

「Mサイズのコーヒーと、Sサイズのキャラメルラテを、どっちもホットで下さい」



接客する先輩の後ろで聞き耳を立てつつ、私、千早 桜月(ちはや さつき)はカフェラテにホイップクリームを乗せた。



「MサイズのホットコーヒーとSサイズのホットキャラメルラテですね。店内で召し上がりますか?」

「いえ。テイクアウトでお願いします」

「かしこまりました。2点で863円です」



お客さんに商品を渡した後、レジを打つ先輩の元へ。今一度注文を確認し、新たなドリンクの製作に移る。


大学入学と同時に始めたアルバイト。

もうすぐ1年が経つ今でも、こうやって働いていることが不思議でたまらない。


なぜなら──。



「桜月ちゃん、それ終わったら光里(ひかり)ちゃんのサポートに回ってくれる?」

「はい。わかりました」
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