ひだまりで誓う桜色の愛
「母親と、双子の弟と妹。今日が修了式って聞いたから」

「3人か。弟さんと妹さんは、おいくつなの?」

「確か3つ下だったから、高1かな」

「うちの弟と同い年だ。双子なら、やっぱりお顔はそっくり?」

「めちゃめちゃ。今は背丈と体型に違いが出てるから見分けつくけど、昔はどっちもショートヘアだったからよく間違えててさ。遊びに行く度に、どっちがどっちでしょう? ってクイズ出されてた」

「あはは。髪型が同じだと難しいよね。陽菜さんも、双子ちゃんと似てる?」

「目元が似てるかな。顔の下半分隠すと三つ子に見えるんだよ」



駐車場を出発し、住宅街を抜けて車道に出る。


5年前の今日、女子中学生が自らの手で命を落とした。


その知らせを聞いたのは夕方の6時台。
ローカル番組のニュースコーナーにて。

家族が集うリビングで、母がホールケーキを切り分けている最中だった。


日付と年齢、聞き慣れた地元の名。

耳に入った瞬間、誰もが息を呑んだ。


ケーキをお皿に移していた母も、食事中だった父も。

チョコプレートにはしゃいでいた私も、苺をつまみ食いしていた柊太も。


全員手を止めて、見慣れた街の映像が流れるテレビ画面に釘づけになっていた。
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