ひだまりで誓う桜色の愛
12本のチューリップ
「問題です。この花の名前は何でしょう?」

「うわー、なんだったっけ。確かキク科だったような気が……合ってる?」

「合ってる合ってる。ヒントは、伸ばし棒が2回です」

「2回……あっ、ノースポールか!」

「正解!」



公園の入口にある花壇の前で彼に拍手を送る。


手紙に号泣してから1時間後。

和久井家に別れを告げた私達は、病院近くの公園にやってきた。


ノースポールに手を振り、階段を登って中へ。



「風強くなってきたね。あそこの木しなってるよ」

「ほんとだ。ざわざわいってる」

「寒くない?」

「大丈夫。中に着込んできたから。ストッキングも穿いてるし」



風で揺れるワンピースを押さえながら、グラウンド脇の道を横並びで歩く。


梅の花を観賞して、思い出話に花を咲かせて、想いを伝え合った場所。


前回は気持ちが沈んでいたけれど、今は青空のように明るく晴れ渡っていて、足取りも軽い。

この状態で走り幅跳びと三段跳びしたら、世界最高記録が出ちゃったり。なんてね。
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