とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~
今夜、私は恋人じゃない人と……した。


ただの友達と。


ずっと一緒に過ごしてきた学生時代の最後の記念、「最後の思い出」作りのために。


そこにはもちろん何の愛情も存在しない、あなたにとっては突然思いついたただのイベント。


だけどね……


私には、嘘みたいに幸せな時間だったんだよ。


嬉し涙を我慢するの、すっごく大変だったんだから。


だって……


私、ずっとあなたが好きだった。


大好きだったから。


あなたに抱かれたこと、それは紛れもない事実で、たとえ、片思いでも、友達でも、何でもいい……何でもいいって思ってる。


それだけで幸せだって。


なのに……なぜ?


どうしてこんなに涙が溢れるの?


「好き」


あなたに抱かれながら、本当は、ちょっとだけそう言いたくなった。


言えたらどんなにラクだろうって。


でも、言えなかった。


言えるわけ……ないよ。


その「好き」の2文字は、私なんかが言っちゃいけない。


あなたへのこの想いは、ずっと胸の奥に閉まい込んだまま、ずっとそこから出さないって決めたんだから。
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