ROCKな人魚姫《前編》
「ユウさ、もっと余裕もって叩けよ。」
音が鳴り静まった部室。
響くシノブの声。
「悪ぃ・・・。」
低めのユウの返事。
「他の音聞いてないから俺らが止まったのにも気づかないんだろ?」
あたしには何も言ってこなかったが、あたしにも不満があるのは間違いない。
”女”だから気を使って何も言わないのかな。
そんな気さえした。
あたしに対するシノブの不満も、全てユウへぶつけられた気がして申し訳なく思った。