帰国子女の彼と過ごす日々はきっと甘くなるだろう
〇梨沙のダイニング

梨沙は帰ってからハンバーグを作り焼いていた。

梨沙 (先輩が彼氏かぁ……もっと早く告白してたら、また変わったのかな〜いや、先輩の事だからやっぱり引退してからってなってたような……)


梨沙 「あっ、やばい、焦げちゃう」


焼きながら色々考えていたら危なく焦がすところだった。

大きなタッパーにハンバーグと付け合せを入れて隣りの陽くん家に行く。


〇陽翔の部屋


陽くんの部屋をノックしてドアを開けるとヘッドホンをしてゲームをしていた。


梨沙に気づいた陽翔は待ってと口の動きでわかった。


梨沙は陽翔の隣に座ってゲームを見ている。


しばらくするとゲームを終了してヘッドホンを外した。


梨沙 「お腹減ったでしょ、お待たせ」


陽翔 「うん」


先に梨沙が部屋から出た。



〇ダイニング


陽翔 「梨沙、ハッピーバレンタイン」


赤いバラの花束が陽翔から渡された。


梨沙 「えっ?どうしたの?」


陽翔 「向こうではバレンタインは男性から送ることが多いんだよ」


梨沙 「そうなんだ……ありがとう」


梨沙 (向こうにも本命とか義理ってあるのかな、私……これ受け取っていいの?)


陽翔 「やった、ハンバーグだ、いただきます」


とりあえず食事かと2人でご飯を食べた。


こういうこともしちゃ先輩に悪いのかな……

でもママにも面倒みるように言われてるし、陽くんに先輩との事を言わないのもな


〇陽翔の部屋


食事が終わると2人でゲームをした。

もちろん2人とも好きだから楽しい時間で……

好きな事は陽くんとは一緒なんだよな

こればっかりは止めれないかもしれない


1時間が過ぎると梨沙は1度休憩に入った。

もちろんそのことも陽くんには伝えてある。


陽翔は1人でゲームを始めた。


梨沙 「あっ、そっち行っちゃだめだよー」


陽翔 「何で?」


梨沙 「敵がたくさんいるよ」


陽翔 「でも、戦わないとレベルあげれないじゃん」


梨沙は攻略の仕方を説明していた。


陽翔 「ちゅっ!梨沙は休憩中だから黙ってて」


不意に口唇にキスをされた。


梨沙 「も、もう……いきなりしないでよ、びっくりするでしょ」


陽翔 「だって、うるさいもん」


梨沙 「ごめん……でも口唇は駄目だよ」


陽翔 「……ごめん」


あー、しゅんとしちゃった、でも言わなきゃ


梨沙 「あのね、陽くんに言わなきゃいけないことがあって……」


陽翔 「何?」


梨沙 「その……先輩とね、付き合うことになったんだ」


陽翔 「え?あっ、やられた」


梨沙 「ごめん、戦ってたのに」


陽翔はゲームのリモコンをポイっと投げた。


陽翔 「飲み物持ってくる」


梨沙 「あ、私が……」


陽翔 「いい」


陽翔は部屋から出て行った。


〇ダイニング

陽翔は冷蔵庫からコーラを出し、梨沙の好きなポテチを手にした。


バリバリッ!

陽翔はポテチの袋ごと手で握り潰した。



陽翔 「梨沙…………僕の気持ちは梨沙には届かないんだ……こんなに好きなのに」


握り潰したポテチをしまい、新しいポテチとコーラを持って部屋に戻った。
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