おとなり契約結婚〜幼馴染の小児科医が推しを盾に結婚を迫ってくる件〜
「二回引けるし、半分こでいいか?」
「私、本当に運がないんだよね。私の分も香月くんが回していいよ」
「じゃあ、遠慮なく」
香月は順番が回ってくると、福引の装置の取手をグルグルと回した。シャラシャラと球が装置の中で転がっていく。
初めにトレーに落ちてきたのは白色の球だ。続いて黄金色の球がポトリと落ちた。その場にいた全員の時が一瞬止まる。白色は五等の箱ティッシュ。黄金色は……。
「お、おめでとうございます!特賞の一泊二日温泉旅館ペア宿泊券が当たりました!」
店員の振り鳴らすハンドベルがショッピングモールに響き渡り、買い物客の注意を引いた。
「特賞……!?」
どこからともなくパチパチと拍手が湧き起こる。
目の前で起きたことが信じられず千春は香月の顔をポカーンと見上げた。
ブロマイドが当たったり、温泉の宿泊券を当てたり、香月の運の強さは底がないのだろうか。