死神のマリアージュ

お父さん、お父さん

突然私のことが好きと言った遠藤スミレは、それからいきなり踵を返してサッサ歩き出した。

・・・界人に言ったほうが良いのかな、遠藤スミレに告白されたって。
まぁ界人に報告したところで状況は何も変わらない・・いや、界人に告白する女子が一人減った分だけ、界人がそこで消耗する時間とエネルギーが減る。
それにあの様子じゃ、遠藤さんが私に危害を加えることはないだろう。現時点で絶対そうだと断言はできないけど、ホントに私のことが好きなら、そういう形で自分のモノにするようなタイプじゃないということだけは確かだと言える。
だってもしそうだったら、遠藤さんはとっくの昔に私になんらかの危害という名の「アプローチ」を加えてたはずだ。
と結論づけた私はその日の夜、スマホコールで遠藤さんのことを界人に「報告」した。

「マジかっ!?」
「うん」
「あぁ・・でもそれで分かった気する」
「なにが」
「なんか遠藤さんってさ、俺とつき合いたいっていうよりも、おまえと俺をつき合わせたくないって感じがすげーあった。俺につきまとう割にはなんつーか・・俺のことを知りたいんじゃなくて、おまえが選んだカレシの素行調査をしてる感じ、っつーか」
「ふーん。遠藤さん言ってたよ。“界人のこと好き”って」
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