死神のマリアージュ

幸せになることを諦めない強さを持つ

「でも人ってそんなに強い絶望感を抱き“続ける”ことができるの」
「と言うと?」
「薄く視えた人の中で、近江先生だけは“二日続けて”薄く視えたんだ。って言っても他の人たちは一度会ったきりだから確認しようがなかったんだけど」
「二日続けて・・なるほど。それで、昨日はどうでしたか?」
「近江先生には会わなかったから分かんない・・・あ」
「なんだ」
「そういえば近江先生、たぶん今日から入院するんだって。だから月曜からしばらく学園を休むってきよみ女史が言ってた」
「入院?近江先生は体の具合でも悪いのですか」
「たぶん。怪我で入院するんじゃないらしいから・・そうだ。理事長のめいおばさんなら、近江先生が入院する理由を知ってるんじゃない?」
「かもしれませんね。近江先生の件は後で姫に聞いておきましょう。分かり次第、頼雅に伝えます」
< 303 / 359 >

この作品をシェア

pagetop