死神のマリアージュ

二つになった「約束」

「雅希、それって・・」
「着いたよ。このマンションの2階・・・あ。飛鳥さんだ」
「え?飛鳥兄ちゃん!?なんでここにいるんだ!?」
「これはこれは、雅希さんと界人くん。こんなところで会うとはなんという奇遇!昨日の今日で“こんにちは”だね」
「こんにちは。昨日はごちそうさまでした。それに楽しかったです」
「いつでも“シャーデン”に遊びに来て。もちろん我が家にも来ていいからね。雅希さんは大歓迎だよ。特にボクの弟が」と言いながらウインクしている飛鳥さんは、父親がフランス人で母親(の弟が界人のお父さん)は日本人のハーフだけに、そういう仕草がとてもカッコよくキマってるし、界人とは違う形の「超絶正統派ハンサムな美形イケメン」だ。

そして飛鳥さんは大学に通っている学生業の傍ら、「みんなの家」という児童施設でボランティア活動のほか、1階は全て店舗のとあるマンションで「シャーデンフロイデ」という名前のカフェも経営していて、飛鳥さんと婚約者の真珠と界人の三人は、「シャーデンフロイデ」の真上にあたる2階に住んでいる。
「シャーデンフロイデ」はドイツ語で、日本語に訳すと「ざまあみろ」的な意味になるそうだ。要するに「他人の不幸を喜ぶ」みたいな意味合い。
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