死神のマリアージュ
「で、そちらのイケメン・・界人くんは魁飛鳥くんの“弟”なのね?慶葉の制服着ているし」
「界人は私と同じクラスです」
「あら、そうなの?」
「高等部から編入しました」
「じゃあ“入試組”なのね」
「はい」
「それで特進クラスに入れたんだから、頭良いじゃない」
「うーん、その辺は微妙というか・・」
「“裏口”から“易々と”入ったの?」
「いやいや!ちゃんと入学試験を受けて合格しました!もちろん裏の情報を事前に得るとかコネでゴリ押したとか、そういう小細工は一切してません!」
「そっか。努力家なんだね。ムキになるところもすっごくカワイイし」
「えっ!?あ、あのぉちょっと近・・」
「ダメよ。私から目を逸らしちゃ」

どちらかと言うと「人懐っこい性格」の礼子さんは、自分の息子と同じくらいの年齢の人でも、気に入ったらとことん可愛がる。
礼子さんはそういう気さくな人だけど、さすがに初対面で、しかも何の予備知識もなければ。さすがにタジタジになってしまうだろう。

息が触れ合いそうなくらいに超間近に“迫られてる”界人は、思いっきり目を見開いて、礼子さんを見ている。
ていうか、アゴグイまでされている界人は今、礼子さんを「見るしかない状況」で。
一歩間違えればさすがに逆(?)セクハラになってしまうところだけど・・・界人はどう切り抜けるかな、この状況を。
< 76 / 359 >

この作品をシェア

pagetop